タルコフスキー特集2017

movie info

お詫び 2/21

2/21(火)10:00回『ストーカー』で上映トラブルがございました。

ご来場いただいたお客様には大変ご迷惑をおかけして申し訳ございません。

また状況把握に手間取り、上映後にお詫びができませんでしたことを重ねてお詫びいたします。

このたびの不手際を補うには足りませんが、2/21(火)10:00回『ストーカー』の整理券をお持ちいただいた方には、「タルコフスキー特集2017」何れかを無料でご鑑賞いただけます。受付にてその旨をお申しつけください。

 

お詫び

下記作品の上映素材につきまして、チラシやサイトでの告知とは異なる素材を使用致しますので、ご了承くださいますよう、お願い申し上げます。

 

『サクリファイス』35mm → デジタル(字幕翻訳:清水俊二)

『ノスタルジア』35mm → DCP

『ストーカー』デジタルリマスター版(2012年版) → デジタル(DVD)

 

※『ローラーとバイオリン』『アンドレイ・ルブリョフ』『鏡』の35mmプリント作品については、プリントの劣化、損傷に伴い、上映が一時中断する場合もございます。予めご了承ください。

【追記】

※『鏡』35mmプリントでの上映につきましては、プリント状態の損傷が激しく、上映が困難ななため、2/14(火)以降の『鏡』の上映素材をBD(提供:IVC)での上映とさせていただきます。予めご了承くださいませ。

 

上映スケジュール

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※各回入れ替え・定員制

 

【A】『ローラーとバイオリン』

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バイオリン大好き少年サーシャは、近所の少年たちにいじめられているところを、青年セルゲイに助けられる。セルゲイはローラーで整地作業をする労働者だったが、これをきっかけに二人は友だちになり、サーシャは労働を知り、セルゲイは音楽に心を開かれてゆく。だが、二人で映画を見ることをサーシャの母親は反対するのだった・・・・。タルコフスキーが全ソ国立映画大学卒業制作としてつくった第一回監督作品で、アルベール・ラモリスの『赤い風船』に刺激されたと言われている。大学同窓の盟友アンドレイ・ミハルコフ=コンチャロフスキーと一緒に脚本を執筆。

作品データ 1960年/カラー/35ミリ/スタンダード/46分

 

 

 

【A】『僕の村は戦場だった』デジタルリマスター版

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タルコフスキーの長編第一回監督作品。第二次世界大戦下のソビエト。カッコーの鳴く美しい村で、明るい陽光と戯れる12才の少年イワンはママから水をもらう。と、そこに銃声が響く。イワンは両親と妹をドイツ軍に殺され、一人ぼっちになってしまった。まだ、あどけなさの残る彼は、学校に通わせたいとの周囲の大人たちの思いをよそに、復讐心に燃えてパルチザンに協力し、危険をおかして敵の占領地域への偵察活動に従事するが・・。幼い者のこころをゆがめる戦争。激しい戦闘シーンと、少年の心に時折よみがえる平和な日々の対比の中で、戦争の悲惨さと虚しさが浮かびあがる傑作である。

作品データ 1962年/モノクロ/デジタル/スタンダード/91分

 

 

 

【B】『アンドレイ・ルブリョフ』

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時は15世紀初頭。モスクワのアンドロニコフ修道院で、信仰と絵画の修業を積んだアンドレイたち僧侶は、降りしきる雨の田舎道を急いでいた。彼らは道中、旅芸人が権力を風刺して捕えられるのを目撃した。圧制に苦しむ民衆を目の当たりにしてアンドレイの苦悩は深まる。ロシア最高の伝説的イコン画家アンドレイ・ルブリョフ(14世紀後半から15世紀前半)の生涯を描き、同時に当時のロシア社会をあぶりだす。10のエピソードにより、時代と人間、社会と民衆を重層的に積み上げて映画を構成し、歴史の真実に迫った意欲作。ロケ地となったウラジーミル、スズタリ、ノヴゴロドなどの古都も美しく印象的である。

作品データ 1967年/モノクロ&カラー/35ミリ/シネスコ/182分

 

 

 

【C】『惑星ソラリス』デジタルリマスター版

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世界SF映画史上に金字塔を打ち立てた作品である。海と雲に覆われ、生物の生存が確認されていない惑星ソラリス。だが、ソラリスの海は理性を持つと科学者たちは考え、何度も海と接触しようと試みたが失敗。宇宙ステーションは混乱に陥り、地上との交信が途切れてしまう。その調査のために派遣された心理学者クリスの目前に現れたのは、友人の死体に自殺した妻。さらに、残された二人の科学者は何かに怯えている・・・。極限状態にある人間の心に焦点を当て、哲学的命題を観客に投げかけてよこす。ちなみに未来都市の風景として映し出されるのは、東京都港区赤坂見附の立体交差。一人で見ては語りたくなり、誰かと一緒に見ては考える、そんな深い思索を呼び覚ます映画である。

作品データ 1972年/モノクロ&カラー/デジタル/シネスコ/160分

 

 

 

【D】『鏡』

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タルコフスキーの自伝的要素の濃い作品である。過去と現在を交差させる中から、<私>の記憶が蘇る。木立に囲まれた祖父の家で髪を洗う母。暮らしに困り宝石を売る母に従いて行ったこと。火事で納屋が燃えた年に家族の許から去っていった父。電話が突然鳴る。母の勤める印刷会社の同僚が誰かの死を知らせてきた。校正ミスで、アタフタした大人たちのことを思い出す。時として校正ミスは、命にもかかわる政治問題を引き起こした。第二次世界大戦、中国の文化大革命、宇宙開発、中ソ国境紛争など、激動の世界情勢も描かれ、心象風景が次第に形づくられてゆく。見た後、いつまでも余韻が残る不思議な魅力に溢れる作品である。ちなみに母のカットに流れるのは、タルコフスキー自らが詠む実父アルセニー・タルコフスキーの詩である。

作品データ 1975年/カラー/35ミリ/スタンダード/110分

 

 

 

【E】『ノスタルジア』

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イタリア、トスカーナ地方。モスクワの詩人アンドレイ・ゴルチャコフと通訳のエウジェニアは、18世紀ロシアの音楽家パヴェル・サスノフスキーの足跡を辿っていた。アンドレイは病に侵されている。村には世界の終末を憂え、家族ぐるみであばら家に閉じこもるドメニコがいた。彼はアンドレイに、「ロウソクの火を消さずに広場を渡る。それが世界の救済に結び付く」と言う・・・・。水、霧、光と言ったタルコフスキー作品に欠かせない要素で、混迷の世界とそれを憂える心を抒情的に描き出す。主人公アンドレイの読む詩は、タルコフスキーの父、アルセニー・タルコフスキーによるものである。なお、タルコフスキーは本作を機にイタリアに亡命した。

作品データ 1983年/カラー/DCP/ヴィスタ/伊・仏・ソ共同製作/126分

 

 

 

【F】『サクリファイス』

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タルコフスキーの遺作となった作品である。俳優のアレクサンデルは現役を引退して、スウェーデンのゴトランド島に妻と娘と息子と共に静かに暮らし、誕生日には木を植えるのを習慣にしていた。ある年の誕生日、アレクサンデルは、植えた枯木に水をやり続けて、遂に蘇らせた僧の伝説を話す。その同じ日、核戦争勃発の報せを聞く。アレクサンデルは、平和が戻り、愛する人々を救うためなら自らを犠牲に捧げると、神に誓うのだった・・・。抑制されたセリフ、美しい自然の情景の中で展開する物語は、人々の心を打ち、カンヌで絶賛され、史上初と言われる四冠に輝いた。

作品データ 1986年/カラー/デジタル/ヴィスタ/瑞・仏共同製作/149分

 

 

 

【G】『ストーカー』

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タルコフスキーの名を世界映画史に刻印した作品である。SF愛好者なら知らぬ人のいないストルガツキー兄弟が、自らの原作をもとに脚本も執筆。隕石でも落ちたのか、大地に突然現れた空間<ゾーン>。その中には願掛けの<部屋>があると言われ、<ストーカー>と呼ばれる部屋案内人の三人の男たちがいた。雨、水、火などのタルコフスキー映画に欠かせない要素を駆使して、規制の多い当時のソビエト社会の暗喩と、そこに生きる人々の苦悩と未来への希望を描く。思索の愉悦を堪能できることだろう。

作品データ 1979年/カラー/デジタル(DVD)/スタンダード/155分

 

上映期間 2/11(土)~2/24(金)
上映時間 10:00/13:00/16:00  開場予定9:40
当日料金 一般:1,500円/大・高:1,300円/シニア:1,000円
特別鑑賞券 3回券の販売は終了致しました。
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