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1949年。国共内戦に敗れた国民党軍とともに、王将軍一家も台湾への移動の準備を始める。やがて新天地台湾へやって来た一家は郊外の広い日本家屋に暮らし始めるが、10人の子沢山一家の暮らし向きは父親の退役とともに次第に苦しくなっていく。そんな中、家族の生活を支えていたのが、孫たちに囲まれたおばあちゃんの知恵とユーモアだった―。1942 年に中国大陸で国民党軍の将軍の家に生まれたワン・トン監督の自伝的作品。動乱の時代を背景に、孫たちを伴い映画を楽しみ、芸術を愛するおばあちゃんの存在は、後のワン・トン監督の作品群に見られる高い美術センスと喜劇性の源を感じさせる。
監督:ワン・トン
出演:タオ・シュー、シー・チュン、ワン・シュエン、チャン・シーほか
作品データ:1995年/台湾/168分/中国語
原題:紅柿子
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日本統治時代末期、太平洋戦争真っただ中の台湾。農村で暮らす小作人のアファとコウヅエの兄弟は家族とともに貧しい生活を送っていた。母親は耳が遠く、妹は夫を戦争で失って以来、精神を病んでいる。ある日、遠方から地主がやって来て、兄弟に田畑を製糖会社に売り払うと告げる。さらに追い打ちをかけるように日本人に一家の唯一の財産である牛が徴用されてしまう。翌日、村が米軍の空襲を受けるが、敵機が去った後、兄弟の畑に残されたのは一発の不発弾。上官から褒美をせしめようと、兄弟と村の巡査は隣町の駐在所へ不発弾を届けることにするが…。物言わぬ案山子を通して、日本による植民地政策のもと、不条理な状況に置かれた台湾の人々の強かな生き様や戦争の悲哀をユーモアたっぷりにテンポよく描いた。
監督:ワン・トン
出演:チャン・ボーチョウ、ジョウ・シェンリー
作品データ:1987年/台湾/98分/台湾語、日本語
原題:稻草人
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1949年、幼馴染みのダーションを頼って国共内戦中の国民党軍に潜り込んだ青年メンシュアンは、寒風吹きすさぶ荒涼たる中国華北から、バナナが実る緑豊かな南国台湾へとたどり着く。その新天地で二人にスパイ容疑がかけられ、メンシュアンは命からがら逃げだす。途中、ある男の臨終に出くわしたメンシュアンは、その妻ユエシャンに彼女の夫に成りすまして仕事に就くことを持ちかけられる…。大陸から台湾に渡り、数奇な運命を辿る男の半生を綴る。日本人の知らない戦後台湾史を、ユーモアあふれるエピソードと奇想天外な展開で描き出す最高傑作!
監督:ワン・トン
出演:ニウ・チェンザー、チャン・シー
作品データ:1989年/台湾/148分/中国語、台湾語
原題:香蕉天堂
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大正時代末期~昭和初期、日本統治下の台湾。チュウとウェイの小作人兄弟は両親の葬儀費用のために地主と不当な長期労働契約を結ばされていた。ある日、ゴールドラッシュの噂を聞きつけたふたりは村を抜け出し金瓜石(キンカセキ)へ向かい、未亡人ズーの家に部屋を借りながら劣悪な環境のもと、日本人が管理する鉱山で金採掘に従事する。やがて兄のチュウは強かに生きるズーに、弟のウェイは九份(キュウフン)の娼館で下働きする日本人娘の富美子に惹かれ始めるが…。貧しい鉱夫の兄弟の視点で、日本人の経営する金瓜石鉱山における台湾人労働者の生活をリアルに描く。
監督:ワン・トン
出演:ポン・チャチャ、ホアン・ピンユエン
作品データ:1992年/台湾/175分/台湾語、日本語
原題:無言的山丘
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CMの撮影で澎湖島を訪れた女性カメラマン・シンホエは、事故で視力を失った青年チンタイと知り合う。その後ふたりは台北で偶然再会を果たすが…。1980年代初頭の、民主化へと向かいつつある戒厳令下の台湾社会を背景に、伝統的な家族観や結婚観と自由恋愛の間で揺れ動く自立した女性の心理を、澎湖島、台北、鹿谷を舞台にキャッチーな歌謡曲と共に、軽やかに描いたホウ監督初期作品。
監督:ホウ・シャオシェン
出演:フォン・フェイフェイ、ケニー・ビー、アンソニー・チェン
作品データ:1981年/92分/台湾
原題:風兒踢踏踩
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60年代前半の台湾を舞台に必死に生活を送る人々の姿を描く。「坊やの人形」「シャオチの帽子」「りんごの味」の三部作で構成されている。監督は「坊やの人形」がホウ・シャオシェン、「シャオチの帽子」がソン・ジュアンシャン、「りんごの味」がワン・レン。台湾ニューシネマの誕生を告げた記念作。
監督:ホウ・シャオシェン、ソン・ジュアンシャン、ワン・レン
出演:チェン・ボージョン、ヤン・リーイン
作品データ:1983年/ 108分/台湾
原題:兒子的大玩偶
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澎湖島の風櫃に住むアチンと彼の友人たちは悪戯や喧嘩をして日々を過ごしていた。ある日、対立するグループとの争いが警察沙汰となり、家に戻れなくなった彼らは高雄に行くことを決める。世界の映画作家に多大な影響を与えた一作。
監督:ホウ・シャオシェン
出演:ニウ・チェンザー、チャン・シー
作品データ:1983年/ 101分/台湾
原題:風櫃来的人
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1980年代半ば、過去に囚われた男と未来に想いを馳せる女のすれ違いが、変わりゆく台北の街並みに重ねられ、やがて思いもよらない結末を呼び込む。エドワード・ヤン監督、ホウ・シャオシェン主演…台湾ニューシネマの若き才能たちが総結集した、奇跡の作品。
監督:エドワード・ヤン
出演:ホウ・シャオシェン、ツァイ・チン、ウー・ニェンチェン
作品データ:1985年/台湾/119分/2Kでの上映となります
原題:青梅竹馬
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少年の成長の年代記を、彼と家族の日常をめぐるささやかな出来事で綴る。主人公の阿孝は、1947年広東省に生まれ、一歳のときに一家で台湾に移住した。ガキ大将的存在の阿孝だったが病弱な父は、阿孝に小さな影を落としていた…。ホウ・シャオシェン初期の代表作。
監督:ホウ・シャオシェン
出演:ユー・アンシュン、シン・シューフェン
作品データ:1985年/ 138分/台湾
原題:童年往事
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60年代、幼い頃から田舎町で兄弟のようにいつも一緒に育ってきた中学生の少年アワンと少女アフン。卒業して台北に働きに出た二人の淡い恋とその切ない別れを描く。
監督:ホウ・シャオシェン
出演:ワン・ジウウエン、シン・シューフェン、リー・ティエンルー
作品データ:1987年/109分/台湾
原題:戀戀風塵
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台湾の首都、台北を舞台に、一人の予備校生と周囲の人間関係を通して、現代の台湾社会を独特の抑制された形式で描いた青春群像劇。ツァイ・ミンリャン監督衝撃のデビュー作。
監督:ツァイ・ミンリャン
出演:リー・カンション、チェン・チャオロン
作品データ:1992年/106分/台湾
原題:青少年哪吒
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現代の台北を舞台に、孤独な男女3人の生き方を、冷徹なカメラワーク、極端に少ない台詞、一切の音楽の助けを借りない俳優たちの陰影豊かで繊細な演技など、抑制された演出でつづった人間ドラマ。
監督:ツァイ・ミンリャン
出演:ヤン・クイメイ、リー・カンション
作品データ:1994年/台湾/117分
原題:愛情萬歳
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台北。シャオカンは街で旧知の女友達と再会。映画スタッフの彼女に誘われ、撮影現場に訪れた彼は、河に浮かぶ死体役に抜擢されてしまう。彼女と一夜をすごした後、彼は首が曲がったままになる奇病にかかっていた…。
監督:ツァイ・ミンリャン
出演:リー・カンション、ミャオ・ティエン
作品データ:1997年/台湾/115分 原題:河流
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批評家時代から台湾ニューシネマを積極的に世界に紹介し、監督デビュー後もホウ・シャオシェンからの影響を公言して憚らない、フランスを代表する映画監督の一人オリヴィエ・アサイヤスがホウ監督とともに台湾を旅しながら、彼の素顔に迫る貴重なドキュメント。
監督:オリヴィエ・アサイヤス
出演:ホウ・シャオシェン、オリヴィエ・アサイヤス、チュウ・ティエンウェン ほか
作品データ:1997年/92分/フランス・台湾
原題:HHH Portrait de HOU HSIAO-HSIEN
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ワントン監督プロデュース作品。
90年代台北。小学生のタウナンが誘拐される事件が発生。空想好きで落ちこぼれの中学生ツーチャンもひょんなことから同じ犯人に誘拐されてしまう。ところが主犯の男が交通事故であっけなく死に、困り果てた共犯のアケンは…。『1秒先の彼女』(20)のチェン・ユーシュン監督による傑作コメディ。
監督:チェン・ユーシュン
出演:リン・ジャーホン、シー・チンルン、リン・チェンシン
作品データ:1995年/108分/台湾 原題:熱帯魚
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パン職人アシェンの店にやってきたのは、かつて憧れた同級生リーホアだった。アシェンの妹リーリーは、路上で拾ったポケベルがきっかけで男と知り合った。美容師として働くリーホアの元には、恋人の妻がやってきた・・・。『熱帯魚』(95)のチェン・ユーシュン監督がポップなタッチで描く、切なくもどこか滑稽な「愛」の物語。
監督:チェン・ユーシュン
出演:タン・ナ/シー・イーナン/チェン・ジンシン/リャオ・ホイヂェン/ミッキー・ホァン
作品データ:1997年/113分/台湾 原題:愛情来了
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「予備校に行くね」——メモを残し突然姿を消した恋人を追って、青年タンがたどり着いたのは、予備校の集まる〈南陽街(ナンヤンジエ)〉だった…。実写にアニメーシ ョンやコマ撮りを加え独特の世界観を創り出すのは、時代性を意識し、そこに共通する記憶に独自の視点と美しい構図で挑み続けるホウ・チーラン監督。
監督:ホウ・チーラン
出演:クー・チェンドン、ジエン・マンシュー、グオ・シューヤオ
作品データ:2012 年/台湾/85 分 原題:南方小羊牧場
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落雷で不慮の死を遂げた青年が〈月老(ユエラオ)〉として縁を結ぶのは、最愛の恋人のこれからの幸せ?それとも〝あの世〟と〝この世〟を越えた禁断の恋?『あの頃、君をおいかけた』で知られる台湾の大ヒットメーカー、ギデンズ・コー監督による長編3 作目。
監督:ギデンズ・コー
出演:クー・チェンドン、ビビアン・ソン、ワン・ジン、マー・ジーシアン
作品データ:2021 年/台湾/128 分 原題:月老
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台中にある昔ながらの理髪店。女店主のアールイは離れた町から通ってくれていた常連客の
“先生”が病の床に伏したことを知り…。自身の母親をモデルに書き上げたシナリオをもとに実家の理髪店でロケを敢行し、家族や老い、新たな希望を見出す道程をリアルで現代的な視点を交えながら繊細に描き出すのは、第37 回東京国際映画祭で黒沢明賞を受賞した台湾の俊英フー・ティエンユー監督。
監督:フー・ティエンユー
出演:ルー・シャオフェン、フー・モンボー、ファン・ジーヨウ
作品データ:2024 年/106 分/台湾 原題:本日公休
上映期間 | 7/26(土)~8/29(金) |
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当日料金 | 一般:1,600円/大学・高校:1,400円/シニア:1,200円/3歳~小・中学生・障がい者:1,000円 |
特別鑑賞券 | 3回券3,600円数量限定 販売中(台湾出身イラストレーター高妍さんがかいたポストカード付き・なくなり次第終了)※ネット予約にはお使いいただけません |