ラテン!ラテン!ラテン!

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Action Inc.が届けたラテン映画10年間の軌跡

5/23(土)~6/5(金) アンコール上映決定!

映画祭タイムテーブル02

映画祭タイムテーブル

 

  永遠のハバナ

永遠のハバナ

ダウン症の少年フランシスキートとその家族、ピーナッツ売りの老女アマンダなど、無名の人々が織りなすハバナの1日。かけがえのない日常を大切にしながら、夢と現実を抱えて生きる人々の姿と内なるドラマを映像と街の音、そして音楽だけで紡いだ、愛すべき街「ハバナの物語」

監督 フェルナンド・ペレス
作品データ 2003/35mm/カラー/84分/キューバ=スペイン

 低開発の記憶—メモリアスー

低開発

1961年、煩わしい妻や家族らが出国するなか、「これで小説が書ける」と、ひとりハバナに留まる決意をした資産家セルヒオ。経済的にも精神的にも「低開発」だとキューバを傍観していた彼は、社会と人々が変化していく中で、すがるように人生の記憶を辿りはじめる。ピッグス湾からミサイル危機までの社会背景を映し出す、貴重なドキュメンタリー映像も織り込まれた、キューバ不朽の名作。

監督 トマス・グティエレス・アレア
作品データ 1968/デジタル・リマスター版DVCAM/モノクロ/97分

ある官僚の死

ある官僚の死

監督自身の経験からつくられた作品。「簡単に解決できるはずのことが、一旦、官僚的な迷路にはまり込むと抜け出られなくなることを笑い飛ばしたかった。喧嘩しないために、コメディ映画を作ることにした」模範的な労働者が急死し、組合員証と共に埋葬された。だが、年金を受け取る為には、その組合員証が必要だ、と未亡人である叔母から言われた甥は、遺体を掘り返す許可を求めに行くが、あちこちをたらい回しされ、ついに甥は自ら墓を掘り起こしに行くが…。当時の官僚制度を痛烈に皮肉ったドタバタ喜劇だが、2002年にフランスで再リリースされてから、今もヨーロッパの映画祭などで上映されている。

監督 トマス・グティエレス・アレア
作品データ 1966/デジタル・リマスター版DVCAM/モノクロ/85分

  12の椅子

12の椅子

旧ソ連の作家の同名小説が原作。革命政府に私財を渡さないため、ダイニングセットの12の椅子のひとつに宝石のコレクションを隠した義母。彼女が亡くなってから、イポリートは元運転手とともに、その椅子を探そうとする。しかし、時はすでに遅く、12の椅子は国有化され、バラバラの家族に行き渡っていて…。予期できないことばかりが起こるコメディ。2007年にアメリカでDVD化されたキューバ名作コレクションの1本。

監督 トマス・グティエレス・アレア
作品データ 1962/デジタル・リマスター版DVCAM/モノクロ/97分

 ルシア

ルシア

スペインからの独立で揺れる1895年、愛しい人に裏切られてしまうルシア。アメリカの支配が強まる1932年、恋人と革命運動に身を投じるルシア。キューバ革命後の1960年、農村で夫と懸命に働くルシア。3つの激動の時代に生きたルシアという3人の女性の愛と挫折、そして新しい人生への旅立ちをそれぞれに綴ったオムニバス巨編。2009年キューバ映画祭にて上映。

監督 ウンベルト・ソラス
作品データ 1968/デジタル・リマスター版DVCAM/モノクロ/160分

  苺とチョコレート

苺

自由と芸術を愛する同性愛者のディエゴと祖国を愛する生真面目な大学生ダビド。生き方も考え方も全く異なる二人が、偶然アイスクリーム・パーラーで出会う。最初は嫌悪感を抱くダビドだったが、独自のスタイルを持つディエゴの生き方に次第に魅かれていく。しかし、周りの偏見からディエゴは苦しい立場に追いつめられ・・・。青年2人の友情を通して社会の矛盾を描く感動作。

監督 トマス・グティエレス・アレア/ファン・カルロス・タビオ
作品データ 1993/ DVCAM/カラー/110分/キューバ=メキシコ=スペイン

  今夜、列車は走る

今夜

鉄道とともに栄えたアルゼンチンの小さな町に、ある日、突然、路線廃止の決定が下される。鉄道民営化によって6万人もが失業した90年代のアルゼンチンを背景に、誇りある仕事を奪われた喪失感と怒り、厳しい現実が5人の鉄道員とその家族の運命を予期せぬ方向へと導いて行く…。出演はダリオ・グランディネッティ(「トーク・トゥ・ハー」)、パブロ・ラゴ(「瞳の奥の秘密」)ほか

監督 ニコラス・トゥオッツォ
作品データ 2004/35mm/カラー/110分/アルゼンチン

 ルイーサ

ルイーサ

ブエノスアイレス都心のアパートで、猫のティノと暮らすルイーサ。つらい過去にとらわれながらも早朝から2つの仕事を掛け持ちして何とか暮らす日々。定年まであと1年となった、ある朝、ティノが死んだ。途方に暮れたどり着いた職場では解雇を言い渡され、仕事を2つとも失ってしまう。茫然自失の中、初めて降りた地下鉄の駅で、あることを思いついたルイーサは、ついに行動を開始するのだが…。主演はアルゼンチンの国民的舞台女優、レオノール・マンソと本作が遺作となったジャン・ピエール・レゲラス、72歳の現役ショーガール、エステラ・ロッホと個性あふれる俳優陣が織りなすアルゼンチンの骨太映画。

監督 ゴンサロ・カルサーダ
作品データ 2008/35mm/カラー/110分/アルゼンチン=スペイン

瞳は静かに

瞳

1997年、軍事政権時代のアルゼンチン。やんちゃでイタズラ好きなアンドレス(8歳)は、母の突然の死で、兄のアルマンドと共に父と祖母オルガと一緒に暮らし始める。なぜか母の持ち物を焼く父、近所の目を気にする祖母、親しげに近づいてくる謎の男セバスチャン。好奇心旺盛なアンドレスは大人たちを観察し、会話を盗み聞きする。そんな、ある夜、部屋の窓から恐ろしい光景を目にするのだが…。目に見えない圧力を子供の視点で描いた脚本は、大女優ノルマ・アレアンドロ(アカデミー賞外国映画賞受賞作「オフィシャル・ストーリー」主演)を魅了し、映画初出演とは思えぬコンラッド・バレンスエラとの共演が実現した。

監督 ダニエル・ブスタマンテ
作品データ 2009/HDCAM/カラー/108分/アルゼンチン

グッド・ハーブ

グッドハーブ

大都市メキシコ・シティを舞台に、先住民の英知である薬草研究者の母(ララ)とシングルマザーの娘(ダリア)が織りなす物語。ダリアはコミュニティラジオのパーソナリティをしながら、ひとり息子のコスモと暮らしている。近くに住むララとは、適度な距離を置いていたが、ある日、認知症と診断されたララは、ダリアに大切なことを託すのだが…。「フリーダ・カーロ」で鮮烈な印象を残した名優、オフェリア・メディーナを主演に、マリア・ノバロが10年ぶりにメガホンを取った、まさに「手作りのキルトのように暖かい作品」(米・バラエティ)

監督 マリア・ノバロ
作品データ 2010/HDCAM/カラー/120分/メキシコ

ル・コルビュジエの家

コルビジュエ

20世紀を代表する建築家、ル・コルビュジエが設計したクルチェット邸でオールロケを果たしたシニカルな人間ドラマ。椅子のデザインで世界的な成功をおさめたレオナルドは、妻とひとり娘と共に、ル・コルビュジエがアメリカ大陸で唯一残した私邸、クルチェット邸に住んでいる。順風満帆な日々は、ある朝、ハンマーの音で崩れ始める。見知らぬ隣の住人、ビクトルが「ちょっと日当りが悪いので」クルチェット邸に向けて、窓を作ろうとしていたのだ。何とか話し合いで解決しようとするレオナルドだが、自分の動向を逐一チェックし、近づいてくるビクトルに徐々に恐怖を覚えるようになり…。アルゼンチン映画界の風雲児2人が、どこにでもある「お隣さん問題」を介して、既成概念をぶちこわし、常識の壁に穴をあける、遊び心とアート満載の必見映画!

監督 ガストン・ドゥプラット、マリアノ・コーン
作品データ 2009/HDCAM/カラー/103分/アルゼンチン

朝食、昼食、そして夕食

朝食

変わらない日常の中で、ひと味違う幸せを求める人々。彼らの物語はテーブルから始まる。舞台は巡礼の終点地。世界遺産としても名高いスペインのガリシア州、サンティアゴ・デ・コンポステラ。街角にたたずむストリート・ミュージシャンのギターで朝が始まる。前夜から飲み続けている2人の男、市場でチョリソーを盗んでしまうマケドニアの青年、現れない恋人のために料理を作り続ける脇役俳優、同性愛者であることを兄に隠し通そうとする弟…。それぞれの人生のかけらが互いに交差しながら、食事を中心に1日の物語が紡がれて行く。ルイス・トサル(「プリズン211」)が主演と共にプロデューサーをつとめ、4台のカメラで即興を撮りきった意欲作。

監督 ホルヘ・コイラ
作品データ 2010/HDCAM/カラー/107分/スペイン=アルゼンチン

地中海式 人生のレシピ

地中海

地中海に面したバルセロナの小さな港町。地元の食堂の娘、ソフィアの夢は一流のシェフになること!「普通の仕事につけ」という母親に反発し、家を飛び出すソフィアのそばには、いつも2人の幼なじみ、真面目なトニと遊び人のフランクがいた。不動産業で成功したトニは、ソフィアにプロポーズするが、フランクはシェフ修行に出ようとソフィアを誘う。頭には新たなレシピ、心には2人の男。どちらが欠けてもうまくいかないことが分かり、ついに3人でレストランを始めるのだが…。エル・ブリを初め、ミシュラン三ツ星レストランの一流シェフたちが全面協力。悩むよりも、まず行動!のソフィアに振り回されながらも、何とか幸せになろうとするトニとフランクの逡巡がみどころ。仕事、恋愛、結婚、子育てと人生の節目で悩みがちな女性たちに、「挑戦するなら、いま!」とエールを送ってくれる人生のレシピが満載。

監督 ホアキン・オリストレル
作品データ 2009/HDCAM/カラー/100分/スペイン

ブエノスアイレス恋愛事情

medianeras

ブエノスアイレスで独り暮らしのマリアナとマルティンは共に30代。近所に住んでいるが、まだ出会っていない。恋人と別れたばかりのマリアナは建築家ながら、本業につけず、ショーウインドウのディスプレイを手がけ、相手にするのはマネキンばかり。フリーのウェブデザイナーのマルティンも元彼女から預かった子犬と一緒に、部屋でひきこもり生活。2人の日常生活とモノローグから垣間見えるのは、孤独ととまどい、そして変化を求める強い気持ち。大都会で果たして意中の人に出会えるのか…。それぞれが、ついに意を決して、行動に移したこととは?スペインのピラール・ロペス・デ・ラ・アヤラ(「シルビアのいる街で」)が、ブエノスアイレス在住の30代シングルを等身大で演じて話題となった、甘くてヒップな恋物語。

監督 グスタボ・タレット
作品データ 2011/HDCAM/カラー/95分/アルゼンチン=スペイン=ドイツ

聖者の午後

聖者の午後01

舞台は南米最大の都市サンパウロ(聖市)。再開発盛んな街の周縁で生きる80年代生まれの男女3人。年金暮らしの祖母と同居するルカ(31歳)、あと2週間で解雇されるルイス(29歳)、熱帯魚店で働くルイスの恋人ルアラ(30歳)。それぞれが、生活の崩壊を目前にして、抜けださねば、と思っているのだが、中々、1歩が踏み出せない。怖くて独りではいられない。でも3人で分かち合えるのは、過ぎ行く時間を見つめることだけ。不安と焦りと諦めが交差するなか、ルカが見つけた亡き祖父の銃で、ルイスは、ある行動に出る決心をするのだが…。監督とプロデューサーは全員30代。繁栄に押しつぶされそうな同世代の日常を描き、皮肉を込めて「Cores」(色)というタイトルをつけた。モノクロな生活の中で垣間見えるユーモアとルカの祖母の存在が、絶望さえできない3人を優しく包み、ラストシーンから再び始まる物語をも想像させる挑戦的な作品。

監督 フランシスコ・ガルシア
作品データ 2012/HDCAM/モノクロ/96分/ブラジル

スリーピング・ボイス

スリーピングボイス

スペイン内戦終結2年目。マドリードの刑務所では、共和国派活動家の恋人や妻、母たちが次々に収監され、おざなりな裁判で死刑が執行されていた。妊娠中に収監された姉オルテンシアを助けるため、南部のコルドバから出て来たペピータは、水面下で共和国派を助ける元医師の家で働きながら、姉に差し入れし、子供のために謝罪するよう説得を続けるが、姉からは山岳地帯でゲリラ戦を展開する義兄への連絡係を頼まれ、義兄の同志パウリーノと出会う。惹かれ合っても会えない状況の中、次第にペピータの身にも危険が迫る。一方、刑務所内で出産したオルテンシアは、当局の手から子供を守るため、ひとりの女性看守に、ある願いを託すのだが…。「始めるべきではなかった内戦」の後も、喪失感と痛みの中で、立場を越えて闘い続け、一縷の希望をつないだ女性たちの物語。

監督 ベニト・サンブラノ
作品データ 2011年/スペイン/123分/HD
上映期間 5/23(土)~6/5(金)
上映時間 13:00
当日料金 一般:1,500円/大・高:1,300円/中・小・シニア:1,000円
特別鑑賞券 ☆三回券:3,000円 上映中も販売(売切れ次第販売終了)
備考 アンコール上映 5/23(土)~6/5(金) 13:00 
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