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これは、映画の祝祭だ!
2012年、単なる俳優向けワークショップではなく、監督が終結し闘う「映画の“コロッセオ”をやってみよう」というのが始まりだった。
その直前に撮った、自作「スリー☆ポイント」の三つあるエピソードのうち二つは、ノープランで準備を含めて10日間、極端な低予算で何が作れるか、というテーマでやってみた。予算と時間の制約で極限まで追い込まれ、自分が試される日々の中なんとか撮り終えた。
終わってみると、心地よい疲労感がドーンときた。”シネマ☆インパクト”も、これでいこう!
極限の低予算と短期間で、各監督が映画を作り上映して競い合う。参加する俳優志向の受講生には悪いが、監督が映画を作るのが第一義、受講生は、その真剣勝負の場に立ち合える事に意義を感じてもらう。1週目の5日間で演技のワークショップをやりつつ受講生の個性を把握し、週末に作品の構成や脚本を練り、2週目に撮影準備と撮影を行うというのが、各監督の大体の流れだった。 監督の判断でキャスティングされない受講生が出ても構わないと各監督に伝え、ただし、選考されなかった受講生は、最終週に山本作品に出演できるという条件を事前に受講生に伝えていた。
受講生へのサービスより、監督第一主義でいこうと思ったからだ。従来のワークショップでは考えられない、ハイレベルな第一線の13人の監督に声を掛け、内容や尺の制限はなく、1クール2ヶ月半で3クール、計15本の作品を生み出した。
制作費は、監督のギャラを含めて1作品40万、自分と制作担当の吉川正文のギャラは月15万(3クール目から20万)という日本経済から外れた設定で、疲労困憊のプロジェクトだったが、やり切った。当然の事ながら、どの作品も監督の個性が際立ち、それまで各監督が発表してきた作品とは一味違うものになっている。その後、2本の長編と2本の短編と3本の制作協力作品を発表し、”シネマ☆インパクト”は現在に至っている。
2025年8月に、最後のワークショップ“THE ラスト・シネマ☆インパクト FINAL”を開催し、シネマ☆インパクトのワークショップは一先ず区切りをつけた。それを記念してシネマ☆インパクト全21作品による、今回の『シネマ☆インパクト映画祭(まつ)り』。玉石混合、映画のごった煮、なんでもありの映画の暴動。そう、映画は祭りだ!!
シネマ☆インパクト 主宰 山本政志
『この森を通り抜ければ』目に見えない放射能に怯え戸惑いながら生き方を探る人々。
瀬々敬久監督が描く原発事故後の日本。
| 監督 | 瀬々敬久 |
| 撮影 | 鍋島淳裕 |
| 録音 | 島津未来介 黄永昌 |
| 照明 | 三重野聖一郎 |
| 音楽 | 川瀬陽太 |
| キャスト | 須森隆文 有元由妃乃 山口遥 佐藤秋 |
| 作品データ | 2012年/50分/SD |
『ありふれたライブテープにFocus』フィリピンから母親を捜しにやってきた女を助けながら、その過程をドキュメンタリー映画にしていく学生達。名作TV『山田孝之の東京北区赤羽』につながる、フェイクワールド。
| 監督 | 山下敦弘 |
| 撮影 | 高木風太 |
| 録音 | 高田伸也 |
| 構成 | 向井康介 |
| 助監督 | 平波亘 |
| キャスト | 細川佳央 大津尋葵 細川岳 松竹史桜 |
| 作品データ | 2012年/SD/44分 |
『止まない晴れ』ささやかで平凡な生活を送っていた夫婦。ある日同窓会に参加すると徐々に驚愕の事実が明らかになっていく。日常に潜む狂気を見事に抉り出す、熊切ワールド。
| 監督 | 熊切和嘉 |
| 脚本 | 辻田洋一郎 |
| 撮影 | 高木風太 |
| 録音 | 小山道夫 |
| 編集 | 堀善介 |
| キャスト | 伊藤尚美 伊藤公一 椎名琴音 GON |
| 作品データ | 2012年/SD/32分 |
『アルクニ物語』非常事態に突入した現在、一室に閉じ込められた8+1人の50年間の物語。職と性と暴力のリサイクル、山本政志監督製激毒寓話。
| 監督 | 山本政志 |
| 撮影 | 池内義浩 |
| 録音 | 島津未来介 |
| 編集 | 早野亮 |
| 助監督 | 松永大司 |
| キャスト | いまおかしんじ 岩永丞威 山口遥 須森隆文 |
| 作品データ | 2012年/SD/35分 |
『2・11』占拠されたビルの中。集団は狂気と破壊と祝祭へと向かう。従来の力強さに自由なタッチが導入された大森監督の異世界。
| 監督 | 大森立嗣 |
| 撮影 | 深谷敦彦 |
| 録音 | 島津未来介 |
| 編集 | 早野亮 |
| 助監督 | 加治屋彰人 |
| キャスト | 長尾卓馬 小川朝子 細川岳 前川桃子 |
| 作品データ | 2012年/SD/29分 |
『タコスな夜』ミュージシャン兼チンピラのショウ。今日も親分から無理難題を押し付けられた。なんとかなると、軽いノリで夜の街に出て行ったのだが…ダメ人間達の新宿一夜物語。
| 監督 | 山本政志 |
| 撮影 | 伊藤寛 |
| 録音 | 根本飛鳥 小黒浩聡 |
| 編集 | 早野亮 |
| 助監督 | 平波亘 |
| キャスト | 伊藤了太 真柳美苗 市鏡赫 佐藤文吾 |
| 作品データ | 2012年/SD/28分 |
『海辺の町で』福島出身の廣木監督が同じく福島出身の撮影=鍋島淳裕と共に、福島ロケを敢行。様々な人々が交差する海辺の町を舞台に綴られた映像詩。この新鮮な映画力!
| 監督 | 廣木隆一 |
| 撮影 | 鍋島淳裕 |
| 録音 | ジョイス・あゆみ・キャスリーン |
| 編集 | 和田剛 |
| キャスト | 門脇麦 池田良 安部一希 三坂千絵子 |
| 作品データ | 2012年/SD/28分 |
『サンライズ・サンセット』クランク・イン前日の映画会社を舞台に、様々な人物が入り乱れ繰り広げられる人間悲喜劇。97年に上演された橋口監督のオリジナル戯曲を映画化!
| 監督 | 橋口亮輔 |
| 撮影監督 | 上野彰吾 |
| 録音 | 島津未来介 |
| 編集 | 早野亮 |
| 助監督 | 松永大司 伊月肇 |
| キャスト | 橋中村健 本美和 岩野未知 中村健 |
| 作品データ | 2012年/SD/28分 |
『SAWADA』ある映画監督の一周忌に集まった7人の女と1人の男。その一晩を6台のカメラが同時に記録。これはフィクションだが松江哲明自身のドキュメントでもある。
| 監督 | 松江哲明 |
| 8ミリ撮影 | 真利子哲也 |
| 助監督 | 品田竜輔 |
| キャスト | 山口可奈子 小林弘美 高麗靖子 |
| 作品データ | 2012年/SD/35分 |
『漂流者』逃避行を続ける男と女が、久しぶりに東京に戻ってきた。友人に金を借り、母親のいる男の実家に顔を出す。追われる二人の束の間を描く。
| 監督 | 山本政志 |
| 撮影 | 廣田恒平 |
| 録音 | 石川秀行 |
| 整音 | 黄永昌 |
| 助監督 | 山守佑典 |
| キャスト | 紀那きりこ 伊藤ひろし 鶴田翔 分部麻衣 |
| 作品データ | 2018年/SD/25分 |
『集まった人たち』とにかくセックスがしたい!だけどうまくいかない!老いも若きも男も女も右往左往!世界を脱力させ続ける、今岡わーるだ・フルスロットル!!
| 監督 | いまおかしんじ |
| 撮影 | 戸田義久 |
| 録音 | 光地拓郎 |
| 編集 | 神谷朗 |
| 助監督 | 甫木元空 |
| キャスト | 新山志保 池田薫 武田祐一 |
| 作品データ | 2012年/SD/62分 |
『胸が痛い』どうしようもない女と、どうしようもない男の、どうしようもない愛。深作健太監督が、常識とモラルを撃つ!
| 監督 | 深作健太 |
| 撮影 | 鈴木一博 |
| 録音 | 島津未来介 |
| 編集 | 洲崎千恵子 |
| キャスト | 川上史津子 仁科貴 岩永丞威 籾木芳仁 |
| 作品データ | 2012年/SD/40分 |
『ポッポー町の人々』大地震の発生から1年後、ぽっぽー町の人々を通して、鈴木卓爾監督が新たなフィクションの在り方を問う。
| 監督 | 鈴木卓爾 |
| 撮影 | 鎌苅洋一 |
| 録音 | 島津未来介 |
| 編集 | 早野亮 |
| 助監督 | 加治屋彰人 |
| キャスト | 小澤雄志 岡崎雅 松下貞治 三輪江一 諏訪敦彦 |
| 作品データ | 2012年/SD/84分 |
『しば田とながお』傷ついた心が癒えない女、それを見守る男。都市をさまよいながら、瑞々しいタッチで描かれる「愛」。『息もできない』で世界を震撼させたヤン・イクチュン監督珠玉の短編。
| 監督 | ヤン・イクチュン |
| 撮影 | 志田貴之 |
| 録音 | 島津未来介 |
| 編集 | 早野亮 |
| 助監督 | 吉田光希 |
| キャスト | 柴田千紘 長尾卓馬 川村麻実 |
| 作品データ | 2012年/SD/18分 |
山本政志監督の最新作にして、ワークショップ”シネマ☆インパクト”発信の最終作品。「bar DUDE」に集まるユニークな客達とスタッフとその家族による三日間のちょっとイカれた群像劇。
| 監督 | 山本政志 |
| 撮影 | 伊藤寛 |
| 助監督/録音/編集 | 大城義弘 |
| 脚本協力 | 水瀬樹 川島信義 椎名香織 河西史哉 青山一澄 |
| 助監督 | 山城研二 |
| キャスト | 松田佳央理 藤平真梨 山下ケイジ 中原つばさ 中村更紗 佐藤文吾 鶴田翔 |
| 作品データ | 2025年/SD/45分 |
「劇団ポツドール」の三浦大輔原作・脚本『恋の渦』を映画化。大根仁監督が『モテキ』以降、『バクマン』以前に挑んだ、本音と嘘が入り混じった男女6人の恋をめぐる奇跡の低予算娯楽インディーズムービー。
| 監督 | 大根仁 |
| 原作&脚本 | 三浦大輔 |
| 撮影 | 大関泰幸 高木風太 大根仁 |
| 偏執 | 大根仁 大関泰幸 |
| 助監督 | 甫木元空 |
| キャスト | 柴田千紘 後藤ユウミ 松澤匠 国武綾 上田祐揮 澤村大輔 圓谷健太 |
| 作品データ | 2012年/SD/119分 |
新宿コリアンタウン。在日韓国人のミンジョンは小遣い稼ぎのつもりでシンバン=巫女を始める。やがて、彼女に救いを求める人の数はどんどん増え、彼女を教祖とする宗教団体となっていく。喪失感と閉塞感、混乱と混沌、不信と不安……。“今”を生きる多様な人々が織りなす人間模様と、自然から放射される生命力が同じ目線で描かれ、善と悪、陰と陽、聖と俗が絶妙なバランスでスクリーンに息づき、神秘的で力強い映像が観る者の心に浸透していく。
| 監督 | 山本政志 |
| 撮影 | 高木風太 |
| 照明 | 秋山恵二郎 |
| 編集 | 山下健治 |
| 助監督 | 野沢拓臣 甫木元空 |
| キャスト | 玄理 趣里 萩原利久 中村夏子 鎌滝秋浩 小田敬 薬袋いづみ 村上淳 |
| 作品データ | 2014年/HD/129分 |
深夜の倉庫街で音楽制作中のマサキとKの元に、抑圧された日常から逃れるようにして3人の女が集まってきた。マサキとKとの出会いによって自分を解き放っていく3人。それは、共に作り上げていく一つの音楽に結実するように思われたのだが…。
| 監督 | 吉田光希 |
| 撮影 | 志田貴之 |
| 照明 | 中西克之 |
| 編集 | 古川達馬 |
| 助監督 | 福嶋賢治 |
| キャスト | 池田良 鈴木士 小宮一葉 真木恵未 石橋菜津美 後藤剛範 |
| 作品データ | 2017年/DCP/100分 |
豪華キャストを迎えて放つ、溢れる痴性、噴き出す出すパワー、猛毒入笑い。パーティー参加のお誘いツイートで次々と集まってくる奇人変人達、阿鼻叫喚空前絶後の狂乱が開幕、
あらゆる災い吹き飛ばす、脳天直下のパラダイス!!
| 監督 | 山本政志 |
| 撮影 | 寺本慎一郎 |
| 照明 | 渡邊大和 |
| 助監督 | 佐和田恵 |
| 演出補 | 平波亘 |
| キャスト | 南果歩 いとうせいこう田本清嵐 小川未祐 古田新太 村上淳 柄本明 |
| 作品データ | 2020年/DCP/95分 |
凶暴な男・一真はダンスクラブの用心棒に。クラブのオーナーの
「仕事」を手伝うヤクザのひろしは、裏社会で飄々と生きてきたが、
一真と行動を共にするうちに次第にシンパシーを抱くようになり…。
| 監督 | 奥田庸介 |
| 撮影 | 高木風太 |
| 照明 | 秋山恵二郎 |
| 録音 | 根本飛鳥 |
| 美術 | 黒川通利 |
| キャスト | 大西信満 遠藤祐美 渋川清彦 上原実矩 大和田 毎熊克哉 |
| 作品データ | 2016年/DCP/106分 |
養鶏場を営む田中家に嫁いだ優子は、義姉の里実にいびられながら
慎ましい生活を送っていた。ある日、夫の不倫相手の咲を住み込み従業
員として採用してしまい、5人は奇妙な共同生活を送りはじめることに…。
| 監督 | ⽜丸亮 |
| 脚本 | 賀々賢三 |
| 撮影 | 永山正史 |
| 録音 | 中川究矢 |
| 原作 | 越智良知 |
| キャスト | 佐々木心音 石川瑠華 木口健太 久田松真耶 藤主税 |
| 作品データ | 2023年/DCP/96分 |
| 上映期間 | 12/13(土)~26(金) |
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| 上映時間 | 作品案内参照 |
| 当日料金 | 一般・大学・高校:1,500円/シニア:1,200円/障がい者・同伴者(1名まで):各1,000円 |