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内なる宇宙と森羅万象。禅に伝わる「十牛図」から紐解く、大いなる円環
リー・カンション × ⽥中泯 × 坂本⿓⼀
どこからともなく現れた「私」は、自己という「牛」をさがす旅に出る
8年もの歳月と想像を超える情熱の末に生み出された、壮⼤なスケールの映像詩。
そして 「無」の先へ ——
<STORY>
急速に変わりゆく時代。住む山を失い、放浪の旅を続けていた狩猟⺠の男は、山中で神々しい黑い牛と邂逅する。男は抵抗する牛を力ずくで連れ帰り、人里離れた⺠家で共に暮らしはじめる。生きるために大地を耕しはじめた男と牛だったが、自然の猛威の前に、息を合わせることができない。しかし、ある禅僧との出会いをきっかけに、次第に心を通わせていく──。
リー・カンション×⽥中泯 ×坂本⿓⼀
主演は、ツァイ・ミンリャン作品で知られる台湾の名優リー・カンション。映画『国宝』で歌舞伎役者・⼩野川万菊役で強烈な印象を残したダンサーの⽥中泯が禅僧として出演。音楽には、⽣前本作への参加を表明していた坂本⿓⼀の楽曲を使⽤し、場所や時代を超越した世界観をさらに深く印象づけている。
日本初70mmフィルムを一部使用、完成まで8年を要した壮⼤なスケールの映像詩
「フィルム以外では映画を撮らない」と明言し、独自の映像哲学を貫く蔦哲一朗監督。本作も全編をフィルムで撮影し、⻑編劇映画としては⽇本初となる70mmフィルムも⼀部で使⽤した。⽇本・台湾・アメリカの3か国が⼿を携えた国際共同製作で、8年もの歳月と想像を超える情熱の末に生み出された、壮⼤なスケールの映像詩である。
【十牛図〈じゅうぎゅうず〉とは】
禅宗の修行過程を象徴的に描いた十枚の絵と、その詩文・解説からなる一連の図像である。牛は「心」や「真理」、あるいは「仏性」を象徴し、それを探し、捕まえ、飼いならし、そして超越していく修行者の精神的な歩みが、十段階に分けて表現されている。南宋時代の禅僧・廓庵(かくあん)禅師によるものが最も知られ、後に多くの寺院や画家により描かれてきた。十牛図は単なる修行の比喩にとどまらず、人間の内的成長と悟りの普遍的な道程を示すものとして、今日でも深い意味を持ち続けている。
――松山大耕(妙心寺退蔵院 副住職)
| 監督・脚本・編集 | 蔦哲一朗 |
| プロデューサー | 市山尚三/エリック・ニアリ/黄インイク/アレックス・ロー |
| 出演 | リー・カンション/ふくよ(牛)/田中泯/須森隆文/ケイタケイ ほか |
| 作品データ | 2024年/日本=台湾=アメリカ/114分/スタンダード&シネマスコープサイズ/5.1chサラウンド/白黒&カラー |
| 配給 | ALFAZBET/ニコニコフィルム/ムーリンプロダクション |
| 上映期間 | 2026/1/23(金)~ |
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