17世紀フランスで起きた史上名高い“ルーダンの悪魔憑き事件”を鬼才ケン・ラッセルが正面から切り込んで作り上げた衝撃作。宗教的抑圧がもたらす狂気、腐敗した国家と教会、そして人間の内に潜む悪魔をあぶり出していく。狂乱と淫行の中で発生する“悪魔憑き”…映画史に深く刻まれた狂乱のカルト映画。
スコットランドの禁断の孤島に行方不明の少女の捜索のために降り立ったハウイー警部が目にしたものは想像を超えた、天外魔境の世界だった。2013年、監督のロビン・ハーディーは自ら再編集して6分長いこのfinal cutヴァージョンを完成させた。カルト映画の巨人の完成だ。
舞台はベルギーの港町オステンドのホテル。宿泊した新婚夫妻が、優雅でミステリアスな伯爵夫人に出会ったことから引き込まれていく禁断の世界を、奇想と恐怖、独特のエロティシズムをふんだんに盛り込んで描き、“『血とバラ』以来のアーティスティックなヴァンパイア映画”と賞賛された。怪奇幻想映画の巨匠ハリー・クーメルの代表作であり、主演のセイリグの銀色に輝くミステリアスな妖しさに酔いしれる奇想吸血鬼映画。
「革命における最も偉大な力は<希望>である」1937年のスペイン内戦を舞台に反乱軍と市民たちの激しい戦い。テルエルの山中にも反乱軍が建設中の飛行場が発見され麓の市民と共和国軍は飛行場爆破のため必死の作戦を展開していくが……。アンドレ・マルローが監督した唯一の映画であり、戦火の中で敢行したリアルなドキュメンタリーに近い映像は、ネオリアリズモの先駆的作品と評価された。
インド西部のラジャスタンを出発点に、アジア、アラブ、ヨーロッパと8カ国にまたがり長い流浪の旅についたロマ(ジプシー)。映画は彼らの奥底から湧き上がる音楽を通してジプシーの歴史と民俗を語りつくしていく。監督自らのルーツであるロマへの限りない讃歌、それはラストの“魂の叫び”ともいうべきジプシー音楽と踊りにこめられている。魂を揺さぶる快作、と言えようか。
「映画史上唯一無二の存在」と評されて久しい、この奇跡の怪作は90年を超えて、今なお燦然と輝き続けている。出演者フリークたちと同じ目線で作りあげた監督ブラウニングの洞察力とフリークに対する深い愛情が全編に満ち溢れている、これこそがこの作品輝ける存在意義だ。
18歳でアルコールとドラッグ中毒を克服しようとスイスのサナトリウムに入院した男が体験する幻想の世界をシュールな凝った映像で描いた『チャパクア』はコンラッド・ルークスの実体験に基づいた処女作だ。生涯に2本の作品を残して(もう1作は『シッダールタ』)忽然と表舞台から姿を消し、後年はタイに居を構えていたというルークスの痛烈なアメリカ文明批判ビートニク映画だ。
同居女性との喧嘩でアパートを飛び出した女性が叔母の経営するホテルに逃げ込んだことから巻き起こされるこの作品のプロットは、あたかもヒッチコックの『サイコ』を想起させる異様な展開だ。全編、奇想天外人間が次々登場、アッと言わせるラストまで目を離せない。『デス・レース2000年』で知られる異色の監督ポール・バーテルの処女怪作。
衝撃的なスナッフ・ムービーの撮影シーンからスタートするこの作品は”異常なシリアル・キラー”をテーマにしたことから、酷評され長きにわたって映画史の闇に葬り去られてきた。70年代に入り、スコセッシが賞賛したことから評価れれ始め、“サイコ・スリラー映画の原点”と刻まれている。
1975年カンヌ国際映画祭 パルムドール受賞
アルジェリア建国の苦難の歴史を「灰の都市」「荷車の年」「くすぶりの年」虐殺の年」という4つのテーマに分けて1954年の独立戦争までを描いた壮大な歴史ドラマ大作。随所に登場するストーリー・テラー“MadMan”はアルジェリアの歴史を突飛な言葉で語りかけていて興味深い。
ドイツのハンバーガーショップでノイズ
音楽を撒き散らして人々を洗脳化して暴徒化させていく事態を創作していた青年FMは、ノイズで神経に異変を起こした人々に、追い込まれていくのだが…。伝説のジャーマン・カルト珍奇作。
小さな宇宙線がニューヨークに着陸した。サイケデリックなネオンカラーに彩られた奇怪で気取った世界。エイリアンたちは麻薬の陶酔を求めて、ヘロインからさらには人間のオーガニズム絶頂期に脳内で分泌されるという快楽物質を追い求めている。輝きを失っていくニューヨーク、セクシュアリティの解放、性暴力への復讐、そしてセックスに取り憑かれた男たちは絶頂に達すると消滅する…。80年代が生んだ、カルトの枠を超えたぶっ飛びSFミッドナイト・ムーヴィー。
メキシコ、ゲレーロ州の海沿いの村、サン・ヘロミート。この村はヤシの実の栽培で成り立っている。主人公オリヴェリオは結婚式の当日、母の容態が突然悪くなったことから、彼はとある事情で隣町までバスで出向くことになる。危険な山道をひた走るバスにあっと驚く珍事が次々と降りかかってくる…。メキシコ時代のブニュエル・ワールド満載の珍快作。
舞台は1970年代のパリ。テンプル騎士団の悲報を狙って”赤い仮面”の男が率いる仮面軍団とゾンビ軍団が共闘して挑むのだが…。フランジュの遺作となった本作は、自身の『ジュデックス』(1963)の流れをくむ荒唐無稽なアクション活劇の一編。
監督:ジョルジュ・フランジュ
出演:ゲイル・ハニカット、ジャック・シャンブルー、ジョセフィン・チャップリン
高知県立美術館の開館3周年企画としてプロデュースされた舞踏公演「トナリは何をする人ぞ』をフィーチャーした異色のドキュメンタリー。林監督は約90分の舞台のエッセンスを30分に凝縮し、そこに探偵や謎の美女、絵金などが登場するフィクションを絡めて摩訶不思議な作品に仕上げた。
製作:高知県、高知県立美術館、(財)高知県文化財団、映像探偵社 所蔵・高知県立美術館
監督:林海象 出演:麿赤兒、大駱駝艦、原田芳雄(友情出演)
料金:1200円均一
カンヌ国際映画祭正式出品
幕末土佐に活き、権力に抗しながら自己を貫いた異端の天才絵師金蔵(絵金)の半生を描いた問題“快作”。初公開から54年、デジタルリマスターで甦った圧巻の映像美と絵金役の麿赤兒の怪演がひときわ胸を打つ。(提供:ディレクターズシステム)
製作・監督:中平康 脚本:新藤兼人 音楽:黛敏郎
出演:麿赤兒、扇ひろ子、岡田英次、加賀まりこ、稲野和子、土方巽
料金:一般:1,800円/大学・高校:1,500円/シニア:1,200円/障がい者・同伴者(1名まで):各1,000円 ※奇想天外映画祭3回券はご利用いただけません
上映期間 | 10/4(土)~10/24(金) |
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当日料金 | 一般:1,600円/大学・高校:1,400円/シニア:1,200円/3歳~小・中学生・障がい者:1,000円 (「闇の中の魑魅魍魎」一般:1,800円/大学・高校:1,500円/シニア:1,200円/障がい者・同伴者(1名まで):各1,000円 ※奇想天外映画祭3回券は利用不可) (「ちんなねぇ」1.200円均一) |
特別鑑賞券 | 3回券3,600円数量限定 特典ポストカード1枚付 販売中 ※ネット予約にはお使いいただけません |