十年 TEN YEARS

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5人の若手監督による、5つのショート・ストーリーで構成された『十年』は、映画が制作された2015年から、10年後の香港の未来を描いた物語。

香港政治の舞台裏をアイロニーたっぷりに描いた第1話『エキストラ』。
失われゆく記憶の記録に思いをはせる第2話『冬のセミ』。
母語である広東語だけでは生きづらくなった香港を活写した第3話『方言』。
雨傘運動後の喪失と再生をドキュメンタリータッチで表現した第4話『焼身自殺者』。
地元への愛と本当の真実を求める思いが交錯する第5話『地元産の卵』。

市井の人々が生活する身近な風景の中に、現在の香港が内包する不安と問題を描いている本作は、返還20年目を迎える激動の香港の姿を、改めて見る側に問いかける。

 

 

『エキストラ』 監督:クォック・ジョン(郭臻)

01_エキストラ真愛連ラム党首と、金民党ヨン党首がゲストで登場する労働節(メーデー)の集会の準備が進んでいる。一方同じビルのとある部屋にいる2人。胸に「愛」という文字のあるポロシャツを着て、長毛(チョンモウ)は、頭にラム党首の写真付きのかぶりものを付けている。インド系の顔立ちのピーターは、銃を手に実行犯役の練習をしている。生活のために少しでも高額の仕事をしたい2人は、集会で騒ぎを起こすよう兄貴から命じられ、どう演じるか思案中だった。会場では労働節の集会が始まろうとしていた…。

 

『冬のセミ』 監督:ウォン・フェイパン(黄飛鵬)

02_冬のセミ2人の男女が、身の回りの物を黙々と標本にしている。壊れた家のレンガや、街で集めた日用品などである。彼らは、記憶と特定の物に囚われていた。2025年の香港は、黙示録の中に書かれた世界のような季節を迎えている。現在存在する生物は870万種。それはかつて、地球上に存在した生物の2%にしか過ぎない。ある朝男が、自分を標本にしてほしいと頼んだ。自分のやってきた事を徹底し、信念を曲げないために。少しずつ準備は進められていった…。

 

『方言』 監督:ジェヴォンズ・アウ(歐文傑)

03_方言普通話の普及政策で、タクシー運転手に試験が課せられることになった。広東語が日常だった彼にとっては、普通話を学ぶことは大変で、大きな支障となる。仕事が出来る場所が制限され、自由に乗客を乗せることが不可能だし、乗せてはいけない場所で、半ば無理矢理に客が乗り込んできても、違反だと警察に言われる。もうすぐ中学生になる子供は、学校では普通話で学ぶ。外国のサッカー選手の当て字が広東語と普通話と違うため、音が違い、誰の話なのか、親子のコミュニケーションにも時間がかかる状態だ。

 

『焼身自殺者』 監督:キウィ・チョウ(周冠威)

04_焼身自殺者2025年ある日の早朝、イギリス領事館前で焼身自殺をした人物がいた。目撃者がおらず、遺書もない。テレビのニュースは身元も動機もまだ発表されていないし、独立運動と関連があるとの見方もあると報じていた。恋人のカレンが以前、私が自殺したらどうする?と聞いたのを思い出し、胸騒ぎを感じた彼は大学へと向かう。カレンの仲間たちは、逮捕されたカレンを助けに行くと言うが、彼は行かないと言い、まるで腰抜けの様な扱いを受ける。しかし自殺者の追悼集会には、静かに蝋燭に祈りを捧げる、彼の姿があった。

 

『地元産の卵』 監督:ン・ガーリョン(伍嘉良)

05_地元産の卵2025年香港で最後の養鶏場が閉鎖される。父親の時代からずっと仕入れていた養鶏場で、息子のチョンはその知識と技術を買われ、台湾に行くことを決めた。店先に書かれた「地元産の卵」という表示の、「地元産」という言葉が良くないと、少年団が写真を撮っていった。同じ制服を来て帰ってきた息子に、規則に反していると言われた事を問い詰める。持っていた通知には、少年団の団長は団員に諜報活動をさせる権限をもち、親に通知しない場合があると書かれていた。また、良くない言葉のリストが配布され、その中に「地元産」という言葉が含まれていたのだ。

 

 

作品データ 2015/香港/広東語/DCP/ステレオ/104分
配給 スノーフレイク
上映期間 7/22(土)~
上映時間 未定
当日料金 一般:1,800円/大・高:1,500円/シニア:1,000円
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